開催期間:2024年12月2日(月)-2025年5月30日(金)(土日祝は休み)
会場 :福井銀行本店ビル1階 〒910-0023 福井県福井市順化1丁目1−1
会場時間:8時-21時まで
作家コメント 私の作品は、色彩を排除したモノクロームの平面表現を基盤にしています。色が持つ感情的な影響や象徴性を取り除くことで、視覚的な刺激を最小限に抑え、鑑賞者に自由な解釈の余地を与えることを目指しています。色の不在によって、作品は固定された意味を持たず、まるで空白のキャンバスのように、鑑賞者自身の記憶や経験と結びつく余白が生まれます。形や構図、陰影といった要素が強調されることで、鑑賞者は自身の過去の出来事や感情、無意識の記憶を呼び覚まし、作品に新たな意味を見出すことが可能になります。
今回の展示では、高い天井と横5メートルの壁面を特徴とする、銀行のギャラリーを舞台に、空間との対話を意識して作品を配置しました。床には過去作である横5.6メートルの平面作品を平置きし、立てて展示した際とは異なる広がりを生み出すことを試みています。床面に広がる新しい視点が、鑑賞者にとって別の世界を感じさせるきっかけになればと思います。
また、壁面にはS20サイズの正方形に収められた複数の作品を展示し、それぞれが独自の窓のように新しい世界を開きます。鑑賞者がその中から特別なひとつを見つけ出し、自分自身の記憶や体験と結びつけることで、作品に新たな意味が生まれることを期待しています。
私がこのような作品を制作する理由の一つは、美術に対する敷居の高さに疑問を持つことがあるからです。私自身、美術が特定の知識や経験を持たない人にとって、時折遠い存在に感じられることがあります。しかし、アートはもっと身近なものであり、誰にでも解釈ができる自由があるべきだと感じています。私の作品を通じて、アートは高尚すぎるものではなく、個々の感覚や経験に応じた新たな発見や解釈が可能なものであるという一面を伝えたいと思っています。
鑑賞者が自由に解釈できることで、作品は多面的な存在へと変容し、対話が生まれます。その対話こそが、私の作品の本質であり、異なる解釈が生まれることで、アートはより豊かで多様な体験を提供できると信じています。
略歴
1992年福井県坂井市生まれ
2011福井大学教育地域科学部 美術教育サブコースに入学
2014同大学卒業
個展
2018.02 中嶋千智展 (E&Cギャラリー/福井)
2022.10 中嶋千智展 (ART SITE 25/福井)
2024.07 中嶋千智展the unknown (gallery K/東京)
グループ展
2014福井大学卒業・修了制作展(福井県立美術館/福井)
2015.9 宮本三郎記念デッサン大賞展 (小松市立宮本三郎美術館/石川)
2015.11 宮本三郎記念デッサン大賞展 (世田谷美術館/東京)
2016.1 第6回 福井大学美術科在学生・OB・OG有志展「ARTIST SIDE」 (福井市美術館/福井)
2019.1 第7回 福井大学美術科在学生・OB・OG有志展 「i」(福井県立美術館/福井)
20213みんなのアート教室 作品展(ショッピングモールVio/福井)
2021.1 第8回 福井大学美術科在学生・OB・OG有志展「トンガリ」 (福井県立美術館/福井)
2021.8 「Point of view-視点の礎-」 (gallery FIXA/岡山)
2022.12 グループ展 クリスマス小品展(ART SITE 25/福井)
2023.02 第9回 福井大学美術科有志展有志展「バラバラ」 (ART SITE 25/福井)
2023.3 グループ展 福井の若手美術作家5人展 (熊川宿美術館/福井)
2023.6 グループ展 文京インディペンデント Vol.0 (分室ニホ/福井)
2024.4 グループ展 レンガのモクジ (分室ニホ/福井)
2024.11 二人展 かたちあるもの (分室ニホ/福井)
受賞歴
2015 宮本三郎記念デッサン大賞展 山本容子賞受賞
その他
みんなのアート教室vol.4 木炭アート講師
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